LinkIcon

「行きたくなる、来たくなる」そんなコミュニティ計画 | 仮設化本設住宅

仮設住宅においては第2次の仮設住宅というコンセプトを考えています。つまり、単なる仮設住宅ではなく、永続的にも可能となる耐久性のある仮設住宅の建築です。ここでは「来たくなる」「ここで頑張りたくなる」といった暮らしの体系や最も重要なコミュニティを形成するものです。この第2次仮設住宅では、そこでの育みとシェアリングライフの整合性を謳っています。
 都会では、人々がコミュニティから離れ、隣の人が何をしているかわからないような状況があります。しかしこれからのコミュニティはむしろシェアリングに近く、同じ場や空間を共有し、そこで幸せを感じていけるような暮らし創りが大切になってきます。それがもしかしたら、東北地方でできる独自のくらし体系になりうるのではないかと考えているのです。そこには現代社会がもたらした多くの課題への試みそのものが取り入れられているのです。

※全てのイメージは参考提案です。多くの協賛を求めます。

第2次仮設住宅ならびにコミュニティ計画 | 仮設化本設住宅

大規模な復興状況を考えると、仮設といえども長期的に暮らしを余儀なくされる状況のなかで、現・仮設住宅ではあまりにも短期的な利用しか想定されておらず、第2次的な仮設住宅の展開が考えられます。第2次仮設住宅では、永住をも想定した仮設住宅とし、かつ、暮らしのコミュニティをも創設するものとします。長期的利用を考え、構造体をコンクリート・ボックスカルバートを利用することでモジュール化を図り、建設時間・コストをおさえながらも、安心感を提供出来る。さらには次世代への新しいエネルギーへの需要が望まれるなか、仮設住宅群の中に、ソーラーパネルなどPVを配置し、エリア別のマイクログリッドを形成してゆく基盤とします。

被災地に明るさと楽しさを|チャーミングなアイディアが人を呼び育む

また第2次仮設住宅には商店街も入ってきます。このミニ商店街にはコンビニエンスストアや衣料品店やお風呂屋さんが入る。そこには看板はなく、あるのは暖簾です。暖簾が看板の役割を果たし、しかも風情をもたらします。 ここは見方を変えれば震災によって壊滅してしまった土地として世界中から注目されています。そこがいろいろなアイディアと共に美しい街に甦れば、内外から観光客も多く訪れることでしょう。そうなれば自ら宣伝しなくとも宣伝できる新しい機会の場にもなり得るのです。

被災地の暮らしを役立たせる|エネルギー実証実験の場となる

 ここは言い換えれば新しい産業を生む場所に変わっていくのです。ここでまかなわれる電気はすべて仮設住宅の屋根に設置されたソーラー(PV)から得るものです。第2次仮設住宅はその暮らしの中に、人を引き寄せるチャーミングなアイディアと将来のマイクログリッド形成のための実証実験の場なのです。数年以内にはここに実証実験用のEVも導入予定です。

既存のモジュール利用の構造体|世界初ボックスカルバート構造仮設住宅

例えば永続可能な仮説住宅。既存のモジュールを使用し、シンプルながらも地震等にも堪えうる耐久性のある構造です。基礎となる部分の施工も同じモジュールを使うことができ、解体後は農業水路、港湾テトラポット等としての再利用を考えています。ボックスカルバートは、基本的に共同溝や下水道等形成するモジュールコンクリートで一般的にはガレージ等にも使用されている構造素材。今回このモジュールが持つ強度に注目し、リデザインしての仮設住宅案提案となりました。この発想提案は世界初。

行きたくなる来たくなる場の創出へ

このシンプルなモジュールを使用することで最高3階までの集合住宅建設を可能とします。被災者の第2次仮設(本設住宅可)住宅郡の他、現在未だに多くのボランティアは寝袋生活、被災地といえども今後、この土地を訪れる人々を招く仮設型のホテル,モーテルを計画しています。さまざまな復興が見えてくる頃には様々な関係者、ツーリストが訪れる可能性も高まります。被災地というネガティブなイメージから新しいライフスタイルを提案していけるようなユニークなアイディアで「人が行きたくなる,来たくなる」明るく楽しいコミュニティ創出の場としてよみがえらせます。
左図は既存のコンクリートモジュールを利用した2階型集合住宅案

考えられたモジュール利用の仕組み

左図は既存のコンクリートモジュールを利用した3階型集合住宅案の裏面イメージ。(シンプルな動線をデザイン)また強度の高いコンクリートモジュール構造ですので耐震性が高く強度が高いことも大きな特徴。これらの住宅は仮設ではなく本設として利用も可能とし、後には学生、研究所員を対象としたスタジオとして利用も可能。また組み立て、解体が容易で、最終的にはこのモジュールは農業エリアにおける農業用水路または港湾テトラポットとして再生できるしくみ。

LinkIcon